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ブログ低学年砂の標本 顕微鏡の選び方その1 実体顕微鏡
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砂の標本 顕微鏡の選び方その1 実体顕微鏡

 

夏休み前の低学年は砂!です。

「砂をもってきて~」とだけ言われて、みなさん困りました?

しかも質問は受付ないという無茶振りでしたね。あえて詳細を説明しなかったのは、砂?どこにあるんだ?買う?とっていいの?など自分たちで考えて欲しかったからです。保護者の皆様もご協力ありがとうございました。

おかげで、こんなに様々な種類の砂が集まっています。

公園や街の砂、人工海岸の砂、園芸用の砂であっても、おもしろい!意外な発見がたくさんありました。標本の作り方、まとめ方もポイントをおさえれば簡単!博物館の標本や展示も、みんながやったのと基本は同じです。

ただ集めただけではなく分析もしました。身近にある薬品や物をちょっと使うだけでも、かなりたくさんのことが分かります。

顕微鏡を使って観察も面白いですね。とってもきれいなので、地球上すべての砂がお宝に見えてしまいます。持ってきた公園の砂も、初めは「いらないから先生にあげる」と言っていたのに、顕微鏡で見た後は「やっぱりあげない。持って帰る!」となります。

そして夏休み明け、「せんせ~ おみやげ~」と、いろいろな場所の砂を子どもたちがもって来てくれています。おじいちゃんちの庭の砂というのも多く、帰省時に砂のことをおじいちゃんにお話した様子を思い浮かべるとほっこりします。

みなさんから頂いたお土産の砂は、これから整理して、理科クラブのコレクションの一部にさせていただきます。重いのにみんなありがとう。

砂の標本をつくってみると、顕微鏡が欲しくなる人が続出します。直接メールを沢山頂いているので、顕微鏡の選び方を紹介します。

 「先生、顕微鏡は何を選んだらいいですか?」と私に聞いたことがある人は「何を見たいですか?」と必ず聞き返されたことと思います。目的によってお勧めする顕微鏡は異なるんです。今回は小学生が砂を観察するのによさそうな顕微鏡を紹介します。

顕微鏡の種類

 顕微鏡の種類は大きく分けて2つ。両方もっているのが理想ですが、そこそこお高いものなのでなかなかね・・・・詳しく顕微鏡について説明しているサイトはたくさんありますが、正確さを大切にするとどうしても話が難しくなります。ここでは、わかりやすさ重視でざっくり紹介します。

①生物顕微鏡 ガラスの板(スライドグラス)をつかう。光を通すことが必要。

 一般に顕微鏡というと、こちらを想像する保護者が多いようです。学校で習ったプレパラートを使うのはこちらのタイプです。受験で使い方が聞かれるのもこっち。とりあえず顕微鏡を買っておこうという時はこれ。通信教育の頑張ったねポイントでもらえるのもこれ。すぐに使わなくなって物置の奥にしまい込まれる確率が高いのもこれ。(もちろん、ちゃんと使えばとても便利。高学年にはこちらをすすめることもあります。この顕微鏡についてはカビのプログラムのときに詳細を書きます。)

②実体顕微鏡 サンプルをそのまま置いてみられる。光を通さなくても大丈夫。

 虫眼鏡を高性能にしたもの。と言われてしまうと「虫眼鏡でいいのでは?」と思ってしまいますが、観察しやすさは断然これです。小学生が1台目に購入するなら実体顕微鏡だと思います。ちゃんと選べば自由研究にもかなり役立ちます。安いものを選んでしまうと使いにくくて「虫眼鏡と変わらない・・・」となりますので、ある程度のスペックのものを手に入れないと意味がないです。

実体顕微鏡はどれを買うのがよいか

 「小学生が砂を観察する」という目的にあった顕微鏡として、実体顕微鏡を紹介します。

 顕微鏡を選ぶときには、倍率が高いものが良いと思われがちですが、もっと重要なポイントは使いやすさです。

  • 視野のひろさ(のぞいた時にどのくらいの範囲が見える?)
  • 明るさ
  • 光(照明どんなのついてる?上から?下から?)
  • ピントは自分で合わせやすい?
  • 持ち運ぶ / 据え置く(重くない?充電式?ライト別?)

導入モデル 

 低学年でもとても扱いやすいので、初めての顕微鏡によく選ばれる。教育用としてよく売れている。部屋においてもかさばらないというのもポイント。どこかにしまい込むのではなく、テレビの横などに出しっぱなしにして、見たいものをすぐ見るという使い方がおすすめ。

 2つの目で見ると立体的に見えるが、低学年のうちは少々難しいので、まずは片目でのぞいてみるだけで大丈夫。

 ライトはペンライトタイプ。これで十分だけど、もっと明るくしたいときは手持ちのスタンドなどで横から光をあてればよし。

少々お高いが、かなり使える

 導入モデルとちがう一押しポイントは、下からライトをあてられる!ということ。

 砂のプログラムで、子供たちから「お~!」と歓声が上がっていたのは下からライトをあてていたのでした。同じものを見ても全く違うものに。砂の中の石英・ペリドットは本当にきれい。砂漠の砂だけでなく、身近な公園の砂が宝物に見えたのはこの顕微鏡のおかげ。高学年のプログラムにあるプラナリア、クマムシなどもこれでみると最高!

 ほかにも接眼レンズが斜めでのぞきやすいとか、細かな使いやすさはあってこれは長く使えます。予算が許すならこっち。

※ 買ってみてどうしても使わなかった場合。理科クラブで買い取ることも検討します。そんなに高くは買えません & 理科クラブの在庫状況にもよります。顕微鏡は消耗品なので助かります。

安いメーカーの顕微鏡をどう考えるか 

上記で紹介したビクセンは、安心してつかえると思います。

 有名でないメーカーの顕微鏡でもまあまあ使えることが多いです。ただ、ピントを調整するねじが硬かったり、すぐガタガタしてきたり。ライトの角度が微妙だったり。暗い、なんとなく見えにくい(原因がよくわからないけど)という、細かなストレスがあります。

 使用するときに少々コツが必要ですが、大人であれば問題なく使えるでしょう。私もいくつか持っています。でも子供の場合はコツをつかむ前に、顕微鏡が嫌になってしまうこともあります。顕微鏡の使い方に慣れている子が、中学生などになって2代目の顕微鏡として購入する分には、安いもので大丈夫と思います。

 そういう意味で、このSWIFTのものは、中学生以降にはおすすめ。下からのライトはないですが、この時点ですでに生物顕微鏡は別途もっているであろうと想定。PCに取り込んだりもできるので、レポートを書く時にも便利。購入した人から「あまり画像はよくないけど、まあ、使える」と聞いています。

 今回は理科クラブにすでに通っている皆さんを想定して、顕微鏡をお勧めしました。自分でもっといろいろな種類の砂を見てみたい!という気持ちが盛り上がっているというのが前提です。「よくわかんないけど、なんとなく顕微鏡欲しいな。かっこいいし」という方には、上記の顕微鏡はすすめません。他のサイトを参考にして、もう少し安価なものを選んだ方がよいと思います。

 理科クラブは、横浜 大倉山・センター北を中心に活動中。理科好きの小学生たちといっしょに楽しく実験・観察をしている理科実験教室です。こんな人にオススメ。

  • 理科が好きな小学生
  • 実験の話で盛り上がれる友達がほしい人
  • 宇宙・化石・石・元素の話で一緒に盛り上がりたい人
  • こどもが理科に興味を持つといいな、と思っている保護者。
  • 自由研究のネタにいつも困る人
  • 自由研究の相談にのってほしい人
  • 楽しくリケジョとして生きている理科クラブの代表と友達になりたい人

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